オンライン新刊書店「本屋百々」がオープンしました。

本屋百々の営業日誌

こんにちは、GOOD&SHAREの牧野です。
GOOD&SHAREのあたらしい取り組みとして、オンライン新刊書店「本屋百々」をオープンいたしました。

本は全て新刊です。
それぞれの本は、店主お気に入りの一節と、本にまつわるエピソードを添えてご紹介しております。

紹介文は、原稿用紙1枚分ずつくらいは書いておりますので、よろしければお店をのぞいていって下さるとうれしいです。

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オンライン本屋さんを始める経緯など

今年のお正月が明けた頃、ふと「オンラインの本屋さんをやろう。」と思い立ちました。
それから1ヶ月。コツコツと準備を進め、オンライン新刊書店「本屋百々」がオープンしました。

正直、本屋さんというのは、お商売を始めて3年ほどのヒヨッコの僕でも、電卓を叩けばすぐに「儲からないな」と分かります。それでも、自分なりに思うことがあって、始めることにしました。

先日、そのあたりのことを日記に書いてみたので、所信表明ではないですが、こちらに引用しておきます。1年後くらいに振り返って読んだとき、どう感じるのか楽しみです。


2023/02/08

あたらしく始めるオンライン新刊書店の準備を進めている。楽しいので、色んな予定を全部変更して、ちびちびと進めているのだけれど、もうちょっとオープンまでにはかかりそうだ。

昨日は、届いた新刊の写真撮影をし、加工をして、お客さまに配布する予定のフリーペーパーを作成していた。フリーペーパーはレイアウトがおおかた決まったので、あとは実際のテキストを打ち込むだけだ。デザインの基礎がないため、見様見真似でつくっているので、簡単そうなことでも時間がかかる。その上、あんまり適当にできず、細かいことにこだわってしまうので、さらに時間がかかる。
早くオープンしないと、ただ在庫を寝かせている(お金を寝かせているのと同じ)だけなので、経済合理性に欠けているが、一個ずつ納得しないと進められないし、自分が納得していないものをお客さまにお配りしたくない。

そして今日は、本をサイト上に商品登録する作業。それぞれの本は、僕がその本のなかで心に残った箇所の引用と、僕なりのエピソードを添えて紹介することにしている。
このスタイルは、間借り本屋をやっていたときからのものだ。なので、過去すでに紹介文を作成済みの本も多いのだが、時間が経っていることもあり、加筆・修正をしている。なので、また時間がかかる。今日は午前から作業していたが、全部で10冊くらいしかアップできなかった。一冊につき、少なくとも400字くらいのテキストを書いているので、今日は原稿用紙10枚以上は書いたわけだ。

こんなに時間を投入しても、得られるであろう利益はたかがしれている。新刊は、薄利多売の利益構造になっているので、一冊を売るためにかける時間は少ない方がいいに決まっているのだ。

先日「食べるための仕事は経済合理性を重視すべきだ」という旨のツイートを見かけた。経済の性質上、強すぎるこだわりは、経済として成立させることと逆行してしまうというものだ。そうだな、と思う。
だから、僕も少ないながらのお商売の経験値から、なんとかお金と、やりたいことのバランスをとろうと頭をひねってはいる。もっとうまいやり方は計算できるけど、「やりたいかやりたくないか」が判断基準のずいぶん上にあるので、うまいやり方であろうが、やりたくなければやれないのだ。

そもそも、利益のことを考えたら、本屋はやらない方がいい。電卓を叩けば、そんなことすぐにわかる。間借り本屋という、本屋さんの真似事をやっているときでさえ、そんなことは明白だった。

けど、なんとなく、「こういうやり方をしたら、ひょっとしてうまくいくかもしれない」と思うから始めてみるのだ。それを試してみること、プロセス自体がたのしいのだ。
経済合理性には欠けるかもしれないけれど。

とは言っても、あまりにも利益がなければ、生活できないので、やめてしまうと思う。そればっかりは、実際に始めてみないとわからない。

ただ、ひとつの希望になっているのが、「途中でやめる」の山下陽光さんが言っていた「利益を削れば削るほど、うまくいく」という話。自分が利益をとりすぎるんじゃなくて、分け合う形にすれば、周り出すということだと受け取っているんだけれど、これが今の僕にとっての光明になっている。
本当にそうなのか、実際に試してみる。それが、この本屋なのだ。
できるだけ手間をかけ、利益を少なくする。結果、どうなるのか。

「利益の多さ」ではなく、いったい何が、僕にとっての仕事の成否を決めるのか。それを知りたいのだ。

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