第1話「本屋がないから、自分でつくろう。

本屋百々  2021年01月22日

本屋百々は、2019年12月から、
間借り本屋としてスタートしました。
この投稿(2021年1月)時点で、約1年が経っています。

2020年はコロナの影響もあり、
満足な活動が出来ていませんでしたが、
それでも間借り先のお店のご厚意もあり、
なんとか続けることができました。

1年の区切りとして、
ここに至るまでの経緯を振り返ってみたいと思います。

これは長い自己紹介でもありますし、
これから間借り本屋を始めてみたいという方にとって
何かすこしでも参考になれば、幸いです。

第1話
本屋がないから、自分でつくろう。

大磯町に移住してきて、もう5年近くになります。

住み始めて最初に思ったのが、
「本屋さんがない」ということでした。
本好きの僕にとって、それはとてもさみしいことでしたが、
待てど暮らせど、本屋さんができる気配はありませんでした。

あるとき、ふと、
「本屋がないなら、自分でつくればいいんじゃないか?」
と思うようになります。

とはいえ、僕はそれまでに
書店員経験どころか、小売店の経験もありませんでした。

意気込みだけはあったものの、
いきなり店舗を構えるのは
ハードルが高すぎるように思えました。
そこで、当時よく耳にするようになった
「間借り本屋」からスタートしてみようと考えました。

間借り本屋とは、
お店の一角を借りて、本棚のなかだけで
本を販売している本屋さんのことです。
実店舗は持たないため、小さく始めることができます。

これならば、手元の資金だけでできるかもしれない。
見様見真似でチャレンジしてみることにしました。

2019年11月頃のことでした。

間借りさせてくれるお店探し

まず初めに取り組んだのは、
間借りをさせてくれるお店を探すことでした。
幸い、大磯町にはカフェ・喫茶店がいくつかありました。
(本と珈琲の相性の良さはご存知のとおり)

その中でも、店内が広く、
ゆったりとくつろげそうな、
つまりカフェタイムを楽しみながら本を読めそうな、
カフェマグネットさんに候補を絞りました。

「間借り本屋をやらせて下さい。」

いきなりそう持ちかけても、
お店の人には、いったい何のことか分からないだろう。

どうやったら怪しまれないように、
かつ好意的に思ってもらえそうか。
説明の仕方を、頭のなかで何度も
シュミレーションしてみました。

いざ交渉に向かった日は、
結構な緊張で、なんと説明したか
ハッキリとおぼえていません。

お店に本棚を置かせてもらって、
本を販売したいということ。
手数料はお支払するので、
条件は相談させてほしいということ。
この町に本屋をつくりたいということ。
それらをシドロモドロになりながらお話した気がします。

マグネットの店主さんは、
追い返すようなこともなく、
しっかり僕の話を聞いて下さいました。
そのうえで、いつからどの程度の量を販売したいのかを
具体的に固めてから、条件面をお話することになりました。
基本的には前向きに検討してくださるとのこと。

よかった!
僕にとっては大きな一歩です。

いよいよ、本屋さんをつくるという空想が
現実化してきました。

(つづく)


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