自分をゆるめる技術 第6回 枠をつくって、そのなかで休む。
さあ、今日で6回目となりました。この連載は12回、多くても15回くらいまでを予定しています。あとで編集するとしても、とりあえず15回くらいを最大にしておきます。そうやってある程度のまとまりをつけておくことで、全体の分量が見えてきます。また、終わりが決まっていないとダラダラと書き続けてしまいますし、逆に続きません。「今日は書かないでもいいか」と思う日が出てきてしまうかもしれません。あえて終わりを設けておくことで、ある程度書くことを絞ることができます。なので、何かを始めるときには予め枠をつくっておくのは大事です。
何かを自分で始めるということは、全部自分で決めなくてはいけない、ということでもあります。それは自由なようで見えて、実はけっこう負担が大きいことでもあります。自由すぎるから何から手をつけてよいかわからないのです。普段から自分で段取りをつけることに慣れている人であればよいかもしれませんが、そうでない人のほうが多いかもしれません。その原因は学校生活にあるのだと思います。学校というのは、「人の決めた枠組み」のなかでいかに上手くやるか、枠を考えた人(先生や教育委員会や国)の意図したように成果をあげるかのゲームのようなものです。学校では、自分で決めて動かない方が都合がいいわけです。
これは大変なことです。なぜなら、そこで決められている枠やルールに適応がある人ならばいいですが、そうでない人は評価されないからです。そういう人は本来、「じゃあ自分で枠をつくればいい」だけなのですが、それが一般的でない上に、それを教えてくれる人が周りにいません。なぜなら、人に決めてもらうことしかしてこないまま大人になって人が多いからです。学校で決められたことをこなして評価された人が、「できる人」としてそのまま社会に出ていくからです。
一番わかりやすいのは仕事です。会社に行けば、何時に出社するか、そこで何をすればいいか、何をすれば評価されることで、何をすることが評価を下げることなのか、全部会社が決めてくれているからです。そのルールに一番早く的確に答えていく人が会社ではわかりやすく「できる人」とされます。
じゃあフリーランスであればいいのか、というとそうではありません。フリーランスであろうとも「仕事を受注できるデザイナーになるには」とかいう情報がSNSに溢れているし、「3ヶ月で未経験からデザイナーになるには」のようなスクールも存在します。こんなに自分で考えなくてもいいようにしてくれるサービスであふれているのは、それがお金になるからです。つまり、「自分で考えなくないから代わりに教えてほしい」という需要があるから、そういうサービスがなくならないのです。そして自分で考える代わりに、教えてもらう要素が多ければ多いほど、高額になっていきます。学校や会社を卒業してフリーランスになったとしても、自分で考えたくない人はいつまでたっても、お金を払ってまで、教えてもらい続けるわけです。それくらい、自分で考えたくない、考え方がわからないという人がたくさんいるのです。
考えられないという人は、自分で決められない人でもあります。フリーランスになる、というのは決断のように感じるかもしれませんが、それは単なる職種です。デザイナーになることが大事なのではなく、どうやって生きていくのか、が肝心なわけです。会社であれば、会社が用意してくれるキャリアがあります。それを指針にしていけばスキルアップにはなりますが、それはあなたの人生とは直接関係ありません。人生と仕事の主従関係を間違えてはいけません。人生が主であり、仕事は従です。仕事は手段に過ぎません。会社員であろうが、フリーランスであろうが、どう生きていくのかは自分が決めなくてはいけないのです。
とはいえ、何も拠り所がないなかでいちから全て自分で決めていくのは途方もなく感じるかもしれません。そこで「枠」という考え方を使うのです。制限と言い換えてもよいでしょう。この枠をあえて自分にもうけることで、考えをシンプルにしようということです。冒頭で、この連載を12回くらいに設定していたように、そうやって自分で枠をつくることで、じゃあそのなかで何ができそうか、どうやって楽しもうか、ということを考えることができます。この連載はできる限り続けていく、としてしまっては、逆に具体性が出てこないのです。制限があるからこそ具体的にしていくことができるのです。
これが自分をゆるめることとどう関係があるかというと、枠があることで、ゆるむことができるということなのです。たとえば、この連載が12回までとしておけば、じゃあ12回書いたら一回休もう、とか、とりあえず8回まで書いたから、一回休憩をはさんでから残り4回を書こうとか、ペース配分ができるようになったりします。これも枠があるからです。無制限に続けられるだけやることにしてしまうと、1回休んだだけでも「途切れさせてしまった」と思うかもしれません。noteなどのブログサービスなどでは「何日連続で投稿しました!」のような表示が出てきます。それを途切れさせたくないから、「今日も書かなきゃ」とプレッシャーを感じたりしてしまうかもしれません。実際に僕もそういう時期がありました。書きたくて書いているのか、書かなきゃいけないから書いているのか、連続記録のために書いているのか、いったい何の目的で書いているのかわからなくなってしまっていました。これも「枠」がないからなんですね。続けられるだけ続ける、というのは実は自分を律する方向のもの、厳しくする方向のものなのです。
なので、あえて枠をもうけることで、自分がゆるむスペースをつくることができるのです。
今日はかなり長くなりました。この辺で終わりにしましょう。また次回。
質問・感想をお待ちしています!
コメントや感想など反応をいただけると、とてもうれしいです。 また質問も大歓迎です。
コチラから気軽にどうぞ↓
https://goodandshare.com/contact/



