世界は分けてもわからない(福岡伸一)
本屋百々 2020年09月30日
消化は何のために行われるのか?小さく砕かないと吸収しにくいからです。(中略)
が、消化の本当の意義は別のところにある。前の持ち主の情報を解体するため、消化は行われる。食物タンパク質は、それが動物性のものであれ、植物性のものであれ、もともといずれかの生物体の一部であったものだ。そこには持ち主固有の情報がアミノ酸配列として満載されている。『世界は分けてもわからない 』137ページより
店主のひとこと
福岡ハカセのことばは、とても美しい。
音楽家のコンセプト・アルバムのように、最後まで読み終えてこそ浮かび上がるコンテキストがあります。
やさしい語り口とミクロな視点は、生命の不思議と尊さ、そしてこの世界のうつくしさに感動する心を呼び起こしてくれます。「生きている」ことに、誇りを感じることができる一冊です。
今回紹介した本
タイトル | 『世界は分けてもわからない 』 |
著者 | 福岡伸一 |
発行年 | 2009年 |
出版社 | 講談社現代新書 |
タグ: 本屋百々のしおり