自分をゆるめる技術 第11回 スマホから離れる

さて、今日は珍しく最初から書くことが決まっています。今日のテーマは「スマホから離れる」です。

スマホを見ないことがどうして自分をゆるめることにつながるのか。これは理屈ではなく、実際に体感してみないと本当の意味ではわからないかもしれません。では、その本当の意味とは何かというと、「いかに自分はスマホに吸い取られていたか」です。吸い取られているものは、あらゆるものです。時間、興味や関心、お金、安心など、物質的なものから精神的なものまで、自分にあるはずの、あらゆるものです。自分にあるはずの、というところがポイントです。スマホを離れてみて初めて、「あ、自分はこれに時間を使いたかったんだ」「あ、自分はこれをやってみたかったんだ」「あ、自分は特にこれが欲しかったわけじゃなくて、ただそう思い込んでただけなんだ。むしろ、ほしいのはこっちだったんだ」といったあらゆる気づきが生まれてきます。

これはスマホから離れないと気がつけないのがやっかいです。スマホとぴったり一心同体で暮らしていると、自分が望んでいることは実はすべて、スマホというフィルターを通してみている世界限定のものに過ぎません。

「まっさらな状態の自分が望んでいる世界」と、「スマホを通して見えている自分が望んでいる(と思っている)世界」とは、実は大きくズレています。ですが、スマホと一心同体で、歩きスマホどころか、電車に乗っても、車に乗っても、歯磨きをしているときも、トイレをしているときですら、スマホを見ているのなら、世界は「スマホを通してみている」に過ぎません。

音楽を聞く、と言ってもスマホで聞いていませんか?それは音楽を聴きたいのではなく実はスマホを触りたいだけなのかもしれませんよ。それくらいスマホ依存症になっているのです。スマホ依存がどれだけストレスになっているか、精神病に影響があるかは「メンタル脳」「ストレス脳」といった専門書に任せるとして、ここでぼくが話したいのはそこではありません。

スマホから離れないと、自分が本当に興味があることがわからないということに問題があると感じています。

この連載では、自分をゆるめる技術をお伝えしています。自分をゆるめるということは、自分を安心させることであり、自分を喜ばせてあげることでもあります。

スマホのなかには、あなたの興味関心を惹くものがたくさん溢れています。そのなかのほとんどものが、あなたが初めから興味関心があったものではありません。あなたは興味関心を持たされているのです。これはあなたが悪いのではなく、あなたの脳がそうやって反応してしまうだけです。悪い言い方をすれば、興味関心を奪われている、騙されている、ということです。

あなたは用事があるからスマホを見ているのではありません。スマホがあなたに用事をつくらせているのです。そしてそのフェイクの用事に興味関心、時間をとられ、あなたが本来やりたかったことや自分が喜ぶはずのことが、後回しに、置き去りになっていくのです。

ですが、困ったことに、このつくられた用事に対して、あなたは疑いを持つどころか、それを「ああ自分はこれがやりたかったんだ。思い出せてよかった。」とむしろうれしくなったりしているはずです。こうやって書かれると、なんだかバカにされているように感じるかもしれませんが、何度も言いますが、あなたが悪いのではなく、スマホというものはそうやって造られているのです。僕もそれにひっぱられてきました。

なぜこんなことを書いているかというと、最近僕はスマホを触らないようにしてみました。そうすると、今までいかに自分は「これがやりたいと思い込んでいたか」に気がついたのです。自分がやりたいと思っていたことは、ただの思い込みで、実はもっと他にやりたいことがあったのだと初めて気がつきました。

それどころか、イライラしていたことの何割かはスマホを見ていたことによるものだと気がつきました。たとえば料理をしているときに子供が話しかけてくるのがとても苦手で、料理に集中させてほしいと何度も注意していたのですが、実は料理をしながら好きなYoutubeやラジオや音楽を聴いていて、自分の注意が料理と音声に分散されているところに、さらに子供の声が入ってくるので注意が3方向にわかれたところで僕の集中力リソースが耐えきれなくなったので、子供に当たっていた、ということがわかりました。こうやって書いてみると、なんとも情けない感じの話ですし、当たり前だろと自分で感じますが、現場では「料理をしているときくらい好きに過ごさせてほしい」とすら感じていました。料理をしてあげているんだから、せめていい気分で過ごさせてくれ、じゃまをしないでくれ。という感じです。これがスマホでながら聞きをするのをやめたら、子供の会話も平気になりました。(とはいえ、料理に集中したいときは静かにしてほしいですが)

このように、後から考えればあたりまえに見えることも、スマホと一心同体で過ごしすぎているがゆえに、日常生活がゆがんでいることにすら気がつきません。唯一の解決策は、スマホから離れることです。スマホから離れてみないと気がつけないのですから。

では、どうすればスマホから離れられるのか。僕が実際にやっていて、めちゃくちゃ効果があったやり方をお伝えします。

まず、キッチンタイマーを用意してください。家にない方は、100均で買ってきてください。物理ボタンがついているものがいいです。

キッチンタイマーが用意できたら、次は、スマホを家の中のあまりいない場所、通らない場所に置いてください。玄関とか、メインで使っていない部屋とかがいいと思います。

最後に、キッチンタイマーで60分セットして、スマホの上に置いてください。これで終了です。あとは、タイマーがなるまで、スマホに触らないでください。

たったこれだけで、僕はかなりスマホに触る機会を減らせました。

単純にタイマーをセットした60分はスマホを触りません。60分も触らないと、触らないことに少し慣れてくるのと、触らないことの「快感」を覚えるようになります。なので、もう少し触らなくてもいいかと自主的にさわならないようになります。それが続くと、外にいるときでも、スマホを触らない癖がつくのです。

スマホを触っていないと、他に注意がむき始めるので、道を歩いていても、風景や景色にいつも以上に関心が向きます。

あとは、余白ができるので、いつも考えていなかったことが考えられるようになります。ぼーっとすることが心地よく感じれるようになったりもします。

そういう時間が増えていくのが、心地よくなっていきます。これは僕の場合如実に感じました。創作意欲も湧いたり、何より「自分に関心が向くようになった」というのが一番大きいです。

今までは外に目が向いていた、むき過ぎていたのであって、それによってストレスや不安のもとになっていたことがわかりました。

自分に目を向けるようになると、自分が喜ぶこと、本当の意味で興味関心があることに意識が向くようになります。そしてそれをちゃんとやってあげようと行動もし始めます。それをやると、さらに自分が喜ぶので、さらに自分に向き合ってあげようと思えるようになっていきます。こうやって自分がどんどんゆるんでいく、というのを体験しています。

ぜひあなたも、スマホから離れてみてください。スマホから離れた途端、今までのあれはなんだったんだ、と思うことがいくつもあるでしょう。それは人それぞれだと思います。あれこれ悩んでいたことも、スマホから離れるだけでパッと消えてしまう。そんなこともあるでしょう。

キッチンタイマーを使って60分。僕は、いつも午前と午後に1セットずつ行っています。最初は触りたくてうずうずするかもしれませんが、それくらい「自分はスマホに依存していたんだ」と気がつくいい機会にもなるはずです。

というわけで今回の自分をゆるめる技術は「スマホから離れる」でした。また次回をお楽しみに。

(次回につづく)

↓過去回はこちらより↓

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