自分をゆるめる技術 第14回 自分の人生に波を起こす
さて、今回は第14回目です。いったん、ここで区切りにしたいと考えていたので、今日はまとめのつもりで書いていきたいと思います。まとめられるかはわかりませんが、まずはやってみる、ということが肝心です。
この連載では、自分をゆるめるための技術にフォーカスして書いてきたわけですが、そもそもゆるめるとはどういうことなのか、どういう状態のことを指すのか、何を目指して、何のためにやるのか、についてまとめてみてもよいかもしれません。
まず、なぜゆるめるのか、ということですが、これは初回に書いたように、自分が固まってしまっている人が多いから、ということでした。世の中で言われている、目標設定とか、夢とか、コーチングとか、自己啓発とか、そういう文脈のなかでは、自分を律したり、凝り固めていく種類のメッセージが多い印象です。なので、僕はそれに対して、ゆるめるということが大事なのではないか、という考えがあって、これを書き始めたというわけです。
断っておきたいですが、僕は、自分を律していくことや自己管理することがよくないとは思っていません。そういうことは必要だと思っています。ただ、そればかりではいけない、と思っているのです。
「お笑い」の方程式として、緊張と緩和、というものがあります。お笑いのメカニズムというのは、緊張して緊張して張り詰めたところに、緩ませるようなものがくるから、張り詰めていたものがバッと弾けて、大きな笑いになるのだ、ということを表しています。緊張と緩和によって生まれる差分が、笑いになっていくということなのです。
この「差分を生む」という考え方は、お笑い以外でも見られます。仕事で言えば「メリハリをつけろ」、野球のピッチャーで言えば、「緩急をつけろ」、でしょうか。
このように何事も、差分を生む、言い方をかえれば、「リズムを変化させる」ということで、質を高めていくようなのです。
そうであるならば、自分自身に対しても、リズムの変化を意図的につくってあげることで、自分がよりよくなっていくのではないか、という考えがこの連載のベースにあるわけです。
なので、自分を律したり、自己管理することがダメなのではなく、律したり、緩めたりして、緩急(リズム)を意図的につけられるようになったほうがいいよね、ということが言いたかったわけです。
今の世の中では、「律するのがいい」という情報と、「緩めるのがいい」という情報があります。そしてたいていは、そのどちらかを主張しているものがほとんどだと思います。
僕が伝えたいのは、「こっちが大事だよ」ということではなく、「どちらも大事」ということです。そして、どちらも大事にするための方法があるんだよ、ということが言いたかったわけです。
この連載の読者のかたや、「ほめほめノート」のお客様には、「まじめ」なかたが多く、自分をよりよくしよう、変えようとするあまり、「自分を律する」ことばかり意識に目が向きがちな印象がありました。なので、あえて「ゆるめる技術」というタイトルにすることで、ゆるめることにも意識を向けていただきたい、という思いがありました。
いったん自分をゆるめることが身につき始めたら、そこからは、意図的にゆるめたり、律したりすることができるようになっているはずです。なので、自分で緩急をつけ、リズムを生み出せるわけです。
適度に、ゆるめることを織り交ぜていけば、緊張しすぎて破裂するようなこともなくなっていきます。だから安心して、目標を設定して大丈夫ですし、自己管理をしても大丈夫、というわけです。
この連載のなかで、読者の皆様が、少しでも自分をゆるめることができたのなら、僕としては書いてよかったな、と安心するところです。さいごまでお読みくださって、ありがとうございました。
自分をゆるめる、ということは、自分にリズムをつけること。グルーヴを生み出すということ。いい「波」を起こす、ということなのです。
自分の人生に波を起こして、それにのっていきましょう。そうすれば、きっとあなたは、行きたいところに辿り着けるはずですから。
(おしまい)
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