私はぼんやりした、
不真面目な兵隊だった。
緊張でピリピリしている同年兵の中では、
どうしても態度がでかく見られる。

風呂で将校と間違えられ、
古年兵に背中を流してもらったことがある。
まもなく新参の二等兵とばれて、
張り倒された。


『水木サンの幸福論』(水木しげる)p79より

店主のひとこと

戦時中の過酷な話のはずなのに、
クスッと笑えてしまうのは、
水木先生が「とても考えられないような」態度を
とっているからなのですが、
ひたすらに自分を貫き、
大切にする姿勢こそが、
水木先生の言う「幸福論」ではないでしょうか。

笑えるのに、切なくて、
憤りを感じて、悲しくもある。

喜怒哀楽がぎゅっと詰まったこの本は、
どこか「男はつらいよ」を感じます。

今回紹介した本

タイトル『水木サンの幸福論』   
著者水木しげる
出版2007年4月
発行年角川文庫

関連記事