自分をゆるめる技術 第3回 「せっかくだから」をやめてみる
「自分をゆるめる技術」、今回で3回目となります。
この連載で書いていることは、僕自身が実践していることです。僕自身もこれを書きながら、日々自分をゆるめようとしているわけでして、この連載を書くこと自体が「自分をゆるめるための技術」の一つになっているのです。
我々「まじめ族」はついついなんでも「続けるための工夫」をしてしまいます。さすが、まじめですね。
続けるために、どうやったら続けやすくなるか考えたり、工夫できたりします。続けるための努力を怠りません。なんでもそうやって「続ける」という目標に向かって、また走り出してしまうわけですね。そう、走ってしまっているのです。
最初は一歩、二歩、とゆっくりとした動き出しだったかもしれません。でも、ひとたび「これは効果がありそうだ。よし、ぜひ続けよう」とスイッチが入ってしまうとエンジンがかかり始めます。ゆったりとした歩みにリズムが出てきます。そして一気に走り出してしまうのです!
適度に、とか、慣らす、みたいなことを、すぐすっ飛ばしてしまいます。ここぞとばかりに、一気に加速し始めます。これまで運動習慣がない人がいきなり、本気のランニングを始めてしまうようなものです。
しかも、「せっかくなら目標とかあったほうがいいな。近くでマラソン大会とかないか調べてみよう。どれどれ。おっ、半年後にマラソン大会があるじゃないか。よし、早速エントリーだ。、、、、よし完了!これでOKと。せっかくだから目標タイムとかあったほうがよさそうだな。スマートウォッチを買って、これからタイムを測ることにしよう。それから心拍数なんかも計測していこう。ランニングシューズも買わないとだし、Tシャツも買おう。ランニング用の水筒とか、バッグもあると便利そうだな。よし、次の休みにスポーツショップに行くか!」と、ここまで一気にやれてしまいます。
思い立ったらすぐ行動。直感に従うことがいいと思っているので、やりたいと思ったらすぐにやってしまいます。
時計やシューズ、シャツなど道具を揃える、などカタチから入るのも特徴です。なぜなら、せっかくだったらいい効果を得たいから。しかも早く、効率的にです。
「まじめ族」はすべての根底に「せっかくだから」があるからです。
せっかく買ったんだから活かしたい。
せっかく始めたんだから続けたい。
せっかくやることにしたんだから目標達成したい。
まじめ族は「せっかくだから」がキーワードで口癖です。ね、まじめですよね。
そうやって、どんどんやること、行動、考えが固まっていきます。
固まるというのは、緊張する方向、律する方向ですよね。自分をゆるめる方向とは逆方向です。
この「せっかくだから」は、自分を緊張させるんです。固めてしまうんです。第1回でお話しした「肩に力が入っている」にも通じます。「せっかくだから」によって、カラダが固まり、肩に力が入っていきます。そして、緊張状態で過ごすことが多くなり、心身が疲れていくのです。
では、どうすればいいのでしょうか。
ひとまず「せっかくだから」をやめてみましょう。といっても、どうやって?と思うかもしれません。何しろクセになってしまっているのですから。クセを直すのは簡単ではないかもしれません。
そもそも、なぜまじめ族は「せっかくだから」と思いたがるのでしょうか。僕が思うに、それは「自分との約束」だと思っているからではないでしょうか。
何かを始めるなら(せっかくなので)最後までやりきってあげるのが自分との約束だ、みたいな感じです。ある意味、自分を大切にしている行為ともいえます。
まじめ族は、自分を良くしてあげよう、という向上心のかたまりみたいなものです。なので、(せっかく)始めたことを途中で投げ出してしまうのは、自分を裏切る行為に近いのです。
とは言え、実際は、やってみたら向いていないと感じることや、何かの事情で続けられないことだってあります。しかし、それをまじめ族は「やむを得ない」とは捉えられません。むしろ、「本当にやりたいのなら、何があってもやるべきだ」と考えます。それが「自分との約束」だからです。自分を裏切りたくないからです。まじめ、というか頑固になってしまうのです。(頑固は、かたくなに、かたいと書きます)
どうですか。これを読んでいると苦しくなってきませんか?心がキュウとなってきませんか?固まっていく感じがしませんか?こうした考え方が、全て自分を固くするからです。
「(せっかくだから)やりたいことをやる」という考え自体は素敵なことです。
それをやることが、自分を喜ばせてくれるものであれば、自分の心や身体も柔らかくなっていくはずです。でも、そうではなく、むしろ固くなっていくのだとしたら、それは「無理をさせている」に過ぎません。「やりたいことをやる、という無理」をさせているのです。
せっかくだから、自分との約束を守ってあげるのは素敵なことですが、無理をしても自分はゆるみません。苦しくなるばかりです。
では、どうすれば良いか?
「自分が喜ぶこと」をやってください。
これをやることで、自分が喜ぶだろうか?と考えてみるのです。
もし「喜ばない」のでれば、それはやらなくていいこと、やらなくていいことなのです。
ポイントは「やったほうがいいかどうか」で考えないこと。あくまで自分の心がうれしくなるか、です。
いったん始めたことを途中でやめるのは、もったいない気がします。でも、自分に聞くのです。
「これを続けると、私はうれしい?」
そのとき、自分に嘘をつかないでください。続けた方が得だから「うれしい」と答えそうになるかもしれません。でも、それは心から喜ぶことでないなら、素直にやめることを選びましょう。
やめることで、自分が楽になったり、ゆるんだりするのであれば、自分のためにやめてあげましょう。大丈夫です。それは、自分との約束をやぶったり、裏切ったりする行為ではありません。むしろ、無理に続けることで、自分を固くして、苦しめているのであれば、何のために続けるのでしょうか。
補足しますが、何かを達成するために自分を律したり、続けることは悪いことではありません。時には必要な場面もあります。でも、自分をゆるめることを知らないまま、それをやってしまうと自分が壊れてしまうから、まずは自分をゆるめる技術を学びましょうというのがこの連載のテーマです。
「せっかくだから」は、だいたいの場合、自分を固くする言葉です。少なくとも「まじめ族」にとっては自分を喜ばせる言葉ではないでしょう。
大事なのは、自分を喜ばせることです。自分が喜ぶことをしてあげれば、自然と自分はゆるんでいきます。心も体もゆるんでいき、緊張がとけ、リラックスして、疲れることも減ります。ぜひ、「まじめ族」のみなさんは「せっかくだから」をやめてみてください。
というわけで、今回の自分をゆるめる技術は、「せっかくだから」をやめてみる。でした。
また次回をおたのしみに!
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