ごぼうが怖くない人生が始まった。

最近、新しく始めたことが多い。

まず畑。
夏の終わりに市民農園を借りた。せっかく役場の人が除草をしてから引き渡してくれたのに、道具やらを揃えるのに手間どっている間に草がボウボウに伸びてしまって、草刈りに追われているうちに、あっという間に10月の下旬。

それでも、娘の幼稚園のお迎えついでに、コツコツと除草をし、土を耕し、畝をつくり、11月に入ってようやく種まきと苗植えを行うことができた。

何を植えるかは、ホームセンターに行って、娘に選んでもらった。
カブ、小松菜、ネギ、ブロッコリー、キャベツ、ほうれん草。無事に育ってくれるといい。

それから、料理でも新しく作れるようになったものが多い。
特に、大きかったのが「ごぼうのきんぴら」を作れるようになったこと。

これまで、ごぼうを自主的に買ったことなど人生で一度もなかったが、近所で地場野菜を買うようになり、そうなると季節野菜を必然的によく買うようになり、ある時ふと、ごぼうでも買ってみようという気になったのだった。

愛用している「白ごはん.com」で、ごぼうのレシピを検索して出てきた、きんぴらのレシピを見ながら作ってみたところ、思いのほか簡単に美味しくできた。

ごぼうは扱いが厄介そうな見た目をしていると感じていたが、それは勘違いであり、ささっと洗って、包丁の背で皮をこそぎ落とすだけの簡単な下処理で済むことがわかり、ごぼうが怖くない人生が始まった。人生の幅が広がった気がする。

それから、フランスパン(バゲッド)を作れるようにもなった。
我が家には、ホームベーカリーがあり、朝食用の食パンは自分で作っているのだが、図書館で立ち読みした「こねないパン」のレシピが簡単そうだったので、挑戦してみた。

ただ材料を混ぜ、長時間(合計5時間)発酵させるだけ。初めから美味しそうに作ることができ、オーブンから出した時、嬉しくなった。夕食にクリームシチューとセットで出したところ、家族全員で平らげてしまった。焼き加減が掴めた2回目はより美味しそうに仕上げることができた。

そういえば、寿司も握れるようになった。アジを買ってきて、自分で捌いて、酢飯をつくり、見よう見真似で握ってみた。見た目は不出来だが、刺身で買ってくるより断然多くの身がとれたし、スーパーで買うより安く、腹一杯に、そして美味しく握り寿司を食べることができた。大満足である。

こんなふうに、新しくできることが増えてくると、「あれもできるかも」という意識が生活全体に流れるようになってくる。

そこで11月から始めたのが、編み物。
前々からやってみたいと思っていたのだが、ごぼうのきんぴらが作れるようになったことで、なんとなく勢いがついたのか、始めようという気になった。幼稚園の先生に編み物が上手な先生がいることを確認し、いざというときに教えてもらえる人が身近にいるという安心感のもと、材料を揃えた。

本屋で一番わかりやすそうな初心者向けの棒針編みの本を買ってきて、それに乗っている通りに道具を買い、早速取り掛かってみたのだが、全然うまくできない。本には動画がついているのだが、それを見てもできない、というか、何をやっているのかわからない。そうだった、俺は手先が不器用で、説明書が読めない男なのだ。

編んではほどき、編んではほどき。Youtubeで「表編み」を検索して、いろんな人の編み方を見る。そしてまた編む。どうしても編み目が緩くなってしまう。

それでも娘を寝かしつけた後に、香山哲さんのツイキャスのアーカイブなどを聞きながら、夜な夜なやっているうちに、段々とコツが増えてくる。文字通り、編み目の段が増えていく。編み物はやればやるほど、うまくなっていくのが嬉しい。

そして今日、ガーター編みで娘のリボンが完成した。正方形の編み目を、奥さんが手を加えてくれてリボンのゴム紐になった。娘は早速、髪に結え、嬉しそうにしていた。僕は気をよくして、裏編みに取り掛かっている。編み物たのしい。

それからまだある。
コラム集を作った。過去にインスタグラムでアップした、ほめほめノートのコラムから抜粋し、加筆修正して、仕立てた小冊子。イベントの特典として作成したのだが、以前から小冊子を手製で作ってみたかったので、いい機会になった。

自分で編集ソフトでレイアウトを組み、テキストを流し込み、ページ番号や、見出し、柱(ページの隅にある見出し)、目次、奥付など、いわゆる本づくりにあたることを一通りやってみた。

ほめほめノートを作ったときにも、自分で編集ソフトでレイアウトデザインはしているが、本の構成ではなかったので、本づくりとしては今回が初めてだ。これが楽しかった。

小冊子に仕立てるにあたって、久しぶりに過去のコラムを読み返してみたが、ほめほめノートを作っていた時のことが思い返されて、よく頑張ったな自分と思えたし、過去の自分に改めて感謝した。

ざっと、こんなところだろうか。
新しいことができるようになると、単純に気分がいい。そして、別の何かにも挑戦したくなるという良い循環が起きる。

今は、木工ができそうな気がしてきている。本棚とか、机が作れそうな気がする。あとは、皮の財布も作れそうな気がする。
いや、その前に、自分で編んだセーターを着て、畑で採れた野菜でサラダをつくり、パスタを作って家族で食べたいと思っている。

同じカテゴリーの記事
新着記事